〈6年〉卒業証書の台紙を自分たちで

飯南地区は、江戸時代から和紙の生産地だったそうです。「深野和紙」として品質が良く紀州藩の藩札用の紙に採用されたり、明治に入ってからは、初めて発行される切手の紙に使われたりしたそうです。現在も県指定の伝統工芸品に指定されているそうです。

そのような歴史を持つ地区にある柿野小学校で、6年生が昔ながらの工程での紙漉き体験をさせていただきました。

「松阪市飯南和紙・和牛会館」

牛の形に刈り込まれた木がお出迎えです。

はじめに、深野和紙についての歴史や紙づくりの工程について教えていただきました。

そしていよいよ紙漉き体験です。今日の先生の紹介です。深野和紙保存会の、野呂会長、馬場さん、出口さん、吉田さん、宮本さんです。

まず、紙をすくためのセッティング。すき船の中には、木の皮の繊維(コウゾやミツマタの幹の皮)と、とろみをつける液体(トロロアオイ)で満たされています。

ここの工程までに、木の繊維の採取だけ見ても、コウゾやミツマタの栽培・刈り取り・皮剥ぎ・蒸し・干し・もどし・煮沸・漂白・灰汁取り・さらし・たたき等々の工程を経てからの紙漉きだそうです。

真ん中に来る柿野小学校の校章の台紙をのせます。そうです、ここで子どもたちが紙漉きをして作った和紙は、自分の「卒業証書」なります。だからと言っては何ですが真剣です。校章の上に少し紙の材料をかけ定着させます。

「かせ」を操作して一度全体に平らに繊維をなじませ、一気にすくい取り水分が落ちるのを待ちます。

水分が落ちたら、紙の周りを整えます。

校章の台紙を取り、違う紙を乗せさらに水分を落としていきます。ここの工程はさすがに保存会の方にお任せします。

自分たちの卒業証書づくりです。みんな一生懸命です。

担任や付き添いの教員も、体験させていただきました。

玄関のホールでは、子どもたちが宮本さんから何やら教えてもらっています。

「和紙は強いよ。破れないから。」「確かに。破れない。」

これは原料のミツマタ

これはコウゾの皮

外では、餅つき?自然薯すり?いえいえとろみをつけるためのトロロアオイをつぶしているんです。

漉き繊維を均等にしているのかな?少しお手伝いしています。

最後に記念撮影。自分たちがいただく卒業証書の台紙を、地域の伝統的な方法で作ることができ満足気な笑顔です。

このあと、保存会の皆さんに乾燥などをしていただき、子どもたちは2か月後、この紙と卒業式に再会することになります。

保存会の皆さんありがとうございました。

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