〈3年〉紙漉き体験

飯南地区は、江戸時代から和紙の生産地だったそうです。「深野和紙」として品質が良く紀州藩の藩札用の紙に採用されたり、明治に入ってからは、初めて発行される切手の紙に使われたりしたそうです。現在も県指定の伝統工芸品に指定されているそうです。

1月27日(木)、3年生が昔ながらの工程での紙漉き体験をさせていただきました。

3年生から少し遅れて会館につくと、紙漉きはもう始まっていました。はじめに、漉き方を詳しく教えていただいていました。

「まず、紙漉きのこのワクを水できれいにするよ。」

「漉き方はこうだよ。」「縦に揺らして、横に揺らして。」優しく面白く教えてもらいました。

では、さっそく漉いていきます。すき船の中は、木の皮の繊維で満たされています。

引き上げた後は、機械を使って乾燥させます。

今日、お世話になったのは。

深野和紙保存会の、野呂会長、馬場さん、

 

出口さん、吉田さん、

宮本さん、田川さん、栃木さんでした。

後半の子どもたちの紙漉きです。

「手がぬるぬるだったけど、洗うとすべすべになる。」「うるおってるよホントに!」

作業の後はとても手がすべすべ、しっとりするようでした。

乾燥もしていただき、紙が出来上がりました。ここで記念撮影です。みんな満足そうな顔です。

次は、紙漉きの材料となる木の皮むきです。今日のために朝の5時半から「コウゾの枝」を大釜で蒸していただいていたとのことでした。ありがとうございます。

この木を蒸した時のにおいどこかで嗅いだような?子どもたちが口々に言います「サツマイモのにおいする。」そうでした、サツマイモを蒸した時のようなにおいがします。

「サツマイモ!」「サツマイモ!」子どもたちがコールします。「サツマイモじゃないよ木の枝だよ。」

「日の丸あげるよ手伝って。」「うん?日の丸?どういうこと?」

「さあ、いくよ。」息を合わせて綱を同じくらい引きます。旗を掲揚するみたいに、綱を引っ張って筒状の木を外すから「日の丸あげる」というのですね。「右もっと引っ張って。」「そこ押さえて。」厳しい声が飛びかいます。保存会の皆さん、本日一番緊張の一瞬です。

一方、子どもたちからは、サツマイモコールがやみません。

「さあできた、皮むきは時間との勝負、みんながんばれー。」子どもたちが一斉に皮をむき始めます。

「熱い熱い」といいながらも子どもたちは皮むきに夢中です。

「皮むき楽しい。」「将来はここで働く!」「働く、働く!」

あっという間に皮がむかれ、床が枝で埋まっていきます。

皮をむかれたコウゾの枝は、とてもきれいです。「この木の枝もらっていい?」「いいよ。」お土産もできました。

 

さて、木の皮は束ねられ、干されます。そのあと・もどし・煮沸・漂白・灰汁取り・さらし・たたき等々の工程を経て、今回の紙漉きの材料に近づくそうです。

最後にミツマタの木も少し蒸されていたのでむかせていただきました。こんなに枝分かれしているのにすいすいむけていきます。

「つるつるむける。」「なんか気持ちいいね。」

さあ楽しい体験も終わりです。「この子らは、はきはきしてて気持ちいな。」「よう働いてくれるしな。」最高のお褒めの言葉をいただきました。子どもたちは自分たちが作製した和紙をいただき、飯南和紙・和牛会館を後にしました。

保存会の皆さんありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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